(!!????)
グシャリと土方の視界が歪む・・・・
一気に地面に叩きつけられ、受身も取れず全身に痛みが走った。
「・・・・いってぇ・・・」
ゆっくり目を開けると
先程、自らが切り捨てた男の顔が、目と鼻の先に転がっていた。
「! ! ! ! ! 」
地面に倒れたことで体の半分が、その男の血で汚れていく・・・・
鉄の錆びた様な独特の臭いが、直接、脳へ忍び込んで土方の思考を鈍重にさせた。
土方は麻痺する頭の片隅で、漸く自分が何者かに足払いをされて地面に突っ伏しているのだと理解するが
踏ん張る手が血で滑って思うように動けない。
(どうなってんだ・・・・)
倒れた瞬間に手放してしまった刀を探す為、土方は痛みに耐えて腕に力を込めた。
「探し物はコレか??」
「! ! ! ! ! 」
頭の上から男の声が降ってくる・・・・・。
顔を上げると先程の生き残りの男が、ニタニタと下卑た笑いを浮かべいた。
その手には土方の刀身が閃いて・・・
「・・・テメェ・・・」
「おやおや・・・。刀を奪われてボケてしまったのか?」
「!?」
「一体、誰がお前をひっ倒したのか・・・・クク・・・」
「! ! ! ! !」
日は落ち、男の遥か上空に白んだ月が揺らんでいる。
すっと空気が揺れた-------
「オレたちは3人じゃねぇ・・・・。最初から・・・4人なのさ」
----背後から4人目の低い男の声がゆっくり空気を揺らした。
(! ! ! )
振り向かずとも、声質から図体の大きさが想像できる。
言葉にはなまりがあり、酒に焼けた声が笑い喉を鳴らす。
目の前に3人目の男、背後にはあらたな4人目の男------! !
土方は切った男の血海の中で、悔しさに奥歯を噛み締めた。
(・・・・終わりだっ!)
唯一、手にしていた刀は目の前の男に奪われ、立ち向かう術がない・・・。
背後で4人目の刀が空を斬る音が響く-----。
(っっ死ぬ!! ! ! ! ! !)
そう覚悟しきつく黒瞳を閉じた
その刹那------
「う・・・・グッッ! ! ! !」
男の呻く声が聞こえた・・・・・。
土方にはあるはずであろう背中の痛みも、4人目の男からの殺気もない。
(・・・・何が起きた・・・???)
土方は生のない空気と、パシャパシャと音を立てる血海の世界へ意識を落としていった・・・・・。
頭の中は対照的に真っ白で
何故、自分は無傷なのか全く分からない。
どうにか起き上がろうと、もがいていると、此処で聞くはずのない男の声が飛び込んできた・・・・・。
「多串くん?」
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