feel

FEEL

 

 

 

こんなことは日常茶飯事だ。

もはや、くだらない事の連続こそが「日常」ともとれる。

 

 

だけれど

 

オレとお前の存在は互いにとって

事件とも呼べる

変化

愛しい改革

 

------すべて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一章

 

空気が冷めゆく夕刻過ぎの路地裏に浪人が三人-----

 

ひゅうひゅうと喉を鳴らし、呼吸すらも静かに落としてそれぞれの真ん中に刀を構えている。

 

それらに取り囲まれて

「勘弁してくれ」と大きくため息をついたのは、漆黒の髪に吸い込まれそうな黒瞳の男

 

真撰組副長 土方十四郎------

 

東洋人特有のきめの細かい肌に、日本人離れした整った面持ちで、それぞれのパーツに色と艶が秘められている。

 

双眸の黒い瞳は、髪の色と好く合っていて、禍々しい黒ではなくブラックダイアのように澄んで、深く人を惹きつける。

さらさらと風に誘われて

揺れる髪先が、夕日の光で紫色に透けていた-----

 

彼は未だ。

腰の刀に指すら掛けていない。

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

上空を飛び交う鳶の声に静かに耳を澄ましているのは、おそらく土方だけであろう。

水で溶かしたような艶めく唇から、たっぷりと紫煙がかった煙が吐き出され、土方の落ち着いた態度に男たちのこめかみが汗で滲む。

 

「ったく。非番だってのに・・・・」

と土方は一人ごちてみるが、それを知ってか知らずか、男たちは腰を落とし上目使いにそれぞれ土方を睨み付けていた。

 

「面倒くせぇ・・・・」

長い溜息と共に吐き出された薄紫の煙が、ゆっくり空気に溶け合って・・・

土方の目にすっと一筋の光が灯ると、その瞳が三人の浪士に向けられる。

殺意を宿す空気がピリピリと土方の体から放たれると、それが男たちにとっても、切り込むタイミングとなった。